彼らの2年後を知らない私がFILM REDを観ました。
ONEPIECE FILM REDを観てきました。
👏👏👏👏👏
(手首のは映画鑑賞前に「ウタちゃんはシャンクスの娘だから♪つって貼ったシールです)
そしてタイトルの通り、私が履修していたのは彼らの2年後が始まるより前までです。
なんならなぜか+10巻くらいごっそり抜けてて、そこがよりによってエースのところなんですよね……なんでそこが読めてない……?
最後に読んだところは、なんかゾロが飛ばされてた気がする、ゾロがいなくなって「えぇっ!?〜次巻へ続く〜」みたいな。
なんでそこで読むの止めれるん?って話でもあるけど情報過多になってたのかもしれない。BOOKOFFで一気に買ったから。ヘヘッ。
そんな、トラファルガー・ローやら覇気の種類などをまともに知らない私がFILM REDを観てきました!
初心者と言う割には読んでるし、でも初心者と言わない割には覚えてない。中途半端なワンピ経歴 is 私が綴っていく錯乱した感想を見てくれ。
※以下『ONEPIECE FILMRED』ネタバレ※
結論から言ってFILM RED、
私にドン刺さりしてます。
えぇ。えぇ。皆まで言うな。
私だけじゃないでしょ、知ってんだ100億の金が動くってことはそれだけ人の感情が動いてんだ。
観終わった後はもう、炭酸の抜けたジンジャーエールをとくとく飲みながら「ウタちゃん……ウタちゃん……」と頭の中で名前を呼ぶことしかできなかった。
ゆったりとした自分の声が頭の中で囁くんよ、ウタちゃんの名前を。
愛しいものを想う時にひたすら名前しか呼べなくなる感覚が一時的に分かった気がしたよ。
家に着いてドア閉じた瞬間からまたえんえん泣いちゃった。でも何がどうしてこんなに切なくて苦しいのかその時は整理しきれなかった。
その日の夜、まぁウタシャンクスルフィのこと考えてたら朝5時になってたんだけど、自分が泣いた原因として真っ先にあげられるのは何か、ってなったら、
この先きっと訪れる"新時代"を、同じく創りあげようとしていたウタちゃん自身は迎えられないことが本当にしんどい。
うん……。
うん………………………。
だめだ、また「ウタちゃん、ウタちゃん……」ムーブに入る所だった。これがウタワールド。
ウタちゃんの大ヒット曲『新時代』の歌詞
「果てしない音楽がもっと届くように 夢は見ないわ」
大衆に文字通り「命をかけて」夢を見続けさせようとしたウタちゃん、自分は「夢は見ない」と歌う。
ウタワールドのウタちゃんも楽しそうに見えたけど、ウタちゃんはあれを現実にしようとしてたんだもんね。
それこそ「寝ない」っていう意味でもありそうだけど、私はもう一つの概念的な「夢を見ない」を感じてました。
『私は最強』の歌詞も。
ウタちゃん、ほんとのほんとに真面目な子なんだなぁと思ったよ。
ネズキノコに手を伸ばすまでもきっと、色々なことを考えてたんじゃないかと思う。
世界の歌姫、そこまでは良かったなぁ。
"救世主"かぁ……。
昨今のSNS時代、
悩み相談をしたり、ある人はDMが神社みたいになってお参りメッセージが送られてくる、なんてのもあるみたいだけど、ウタちゃんに救いを求める声は現代社会なんだろうと思う。
ウタちゃんはそんな大衆の声を本当に、ガチで、絶対的に救おうとした。
「私にそんなこと求めないでよ。私は私で自分の思う新時代を作ってやるんだから」
そんな声も赤髪海賊団の音楽家だったウタちゃんからは聞こえてきそうだけど、エレジアで過ごした12年でその真面目さは磨きがかかったんだろうと思う。
エレジアではずっとゴードンさんが傍にいてくれた。愛してくれた。でもそれは"孤独を感じない"訳ではなかったんだろう。
でんでん虫で自分の歌声が人に届くより前、ウタちゃんの目は死んでた。
奥行きも潤いも知らないクマの深い目で10年ほど生きていたのかな。
あえて孤独と書くけど、
エレジアで孤独に生きていたウタちゃんが世界っていう社会に繋がったこと、そこにまず自分が救われたんじゃないかな。
自分の歌を知らない誰かが受け取り、評価が返ってくる。繋がりという社会に救われたウタちゃん。
そして主語が大きいかもしれないけど、人ってもし自分が苦しい時でも、自分よりも苦しくしんどそうにしてる人がいたら強くなれる、っていう状態があると思ってて、ウタちゃんはそこにいたんじゃないかなぁ。
守らなきゃ、と思う。
それで強くなれる自分のことも嫌いじゃないし、無理はちょっとしても花に水はあげたい。
そして期待に応えることは無意識ながら自分を救うことにも繋がっていた。自分の意思でも救いたいと思ってた。
「したいことをしなきゃ腐るでしょう?期待には応えるの」
大衆の声をインプットして、
歌う、救うことでアウトプットしてた。この循環。
ウタちゃんのしたいことになっていたんだ。
これを生き甲斐として掲げていたんだ。
ウタちゃんを止めたいと思っても、12年の取り巻く年月の強大さと思念は強すぎる。
あとね、私も色んな感想を見てさ。
自分の中でまだ柔らかかった部分と合致した感想を見て頭を抱えたりしてたんだけど。
シャンクスの行動原理の重心はどこにあるだろう、と思った時、それは「ウタには歌い続けてほしい」っていう所なんじゃないかなぁ、そうであってほしいと思った。
ウタちゃんにとって置いていかれることは最悪の選択だったと思う。
ウタちゃんがシャンクスを恨んでいたのって「エレジアを滅ぼした」ことじゃなくて「自分を置いていった」ことにめちゃくちゃ比重が重いと思うんだよね。
だから例え「赤髪海賊団がエレジアを滅ぼした」、世間にもウタちゃんにもこのままの認識でも、ウタちゃんは着いていっていたと思う。軽蔑するしそれはそれで大変なことになれど。
ただ、それじゃだめだったんだよな。
トットムジカを発動させエレジアを滅ぼしてしまったのは無自覚ながらもウタちゃんであり、それが知られたら政府から目をつけられるどころじゃない。
ウタちゃんにありのままを伝えて一緒に行ったとして、果たして一つの国を滅ぼした歌声でもう一度歌を歌うことはできるだろうか。一分一秒その罪の重圧にまだ少女であるウタちゃんが耐えることはできるだろうか。
ウタちゃんには自分たちがエレジアを滅ぼしたことにして一緒に行ったとして、果たして「エレジアを滅ぼしたのはウタ」という真実を隠し通しながら、社会に触れることになる航海はできるだろうか。ウタのその情報が回れば政府もウタの命を狙ってくる。
ウタが歌をこれからも愛し歌い続けるためには、シャンクスは置いていくことを選択した。ゴードンさんと二人、鎖国するように社会から閉ざして。
あまりにもしんどい………
結果的には、ねぇ、こうなっちゃったよ、時間巻き戻せたらシャンクスはどうする?どうしたら一番良かったと思う?なんて。
エレジアに行こう、となったのも歌を歌い続けるには海賊団にいるより音楽の国にいる方が良いんじゃないかと思う描写もあった。
世間一般的に見ればもしかしたらそう。海賊なんて危険だし歌を歌いたいならそうするべきかも。
でもウタちゃんは、シャンクスが、赤髪海賊団が大好きで、歌姫であるより"赤髪海賊団の音楽家"であることにきっと誇りを持っていたよ。なぁシャンクス……。
まぁ、シャンクスも赤髪海賊団のみんなも、ウタの歌が大好きだったんだろうなぁ……。
シャンクスについてもひとつあってさ、
ウタちゃんがシャンクスの腕の中で目覚めて回復薬を勧める時、ウタワールドに行った人たちが元に戻っていない状態で「今すぐ飲んで眠れば助かる」と言ったことに違和感があった。
眠れば能力は解除されるっていう力だったけど、あの時みんな「トットムジカ倒したのになんでみんなが元に戻らないの!?」ってなってたから異常事態だったってことかな、現実世界もウタワールドも魔王いたし。
私は途中までしかワンピースを読んでいないのでシャンクスがどういう思考のもと動く人なのかっていうのは把握してないんだけど、私の中のシャンクスは子どもにも大人にもなれる偉大な海賊、という立ち位置で。欠落がありそうな部分さえも完璧、みたいな像をあてはめてたんだよね。
だから「この異常事態が終わっていないけど回復薬を飲ませて娘一人の命を優先させる」っていう動きが不思議だった。
その後ウタちゃんは「私は赤髪海賊団の音楽家ウタだよ」と言って死を覚悟した上でみんなを歌で救ったんだけど、原因ではあれど冷静な判断ができてるのはウタちゃんの方では……?シャンクス……?ってなってた。
でもそこにはシャンクスの"不器用"と一言で言ってしまえば酷なほど情も溝もある「親の愛」を感じたよ。
シャンクスは物事を見通す力があると思ってるので、感覚的にも「今ウタが眠ったら目を覚さない人々は永遠に助からないかもしれない」と分かっていたかもしれない。
その上で回復薬を差し出していたとして、身内にはどうにか助かってほしい自己中心的な愛、親故の愛、その罪を被るほどのどうしようもない愛だったのかなぁ。
今思うと、自分が助かることより皆を助けることを自ら選択したウタちゃんにもう何も言うことができない、あのシャンクスの気持ちを思うとまた、頭を抱えるものがある。
一見、ウタちゃんからシャンクスへの愛(故の恨み)がすごく大きく見えるけど、この回復薬の一件やらでシャンクスからの愛も優先順位の歪みがあって、ちゃんと大きいんだなと思った。行動一つ一つの動機は愛だったと思ってる。
ほんと、何も考えなくて良いならずっと傍にいてあげてくれと思うけど。
ウタちゃんとは12年間も離れて、その間一度も姿を見せなかった。
四皇としてのシャンクス、存在しうる時なにをしていたかは知らないんだけど、そんなフラっと会いに行けるような存在でもなければエレジアを壊滅させたのは自分ということにしている、ウタに真実は届けさせない、といった意思のもと会わなかった。
ウタちゃん、自分を置いて行ったシャンクスが憎かったよね。
歌配信を始めて1年後、真実を知ってしまったみたいだけどそれまで11年。それを知って取り返せるにはあまりに遅すぎた。
性格も自分の中の常識も覚悟も変わったり決めたりするには十分すぎるほどの年月だよ……。
なぜ自分をエレジアに置いていった?
家族だったのに?
なぜエレジアを滅ぼした?
なぜ?どうして?
こういう「どうして?」って「どうして?」と思うたび、疑問は疑心に、やがて勝手に確信へ変わっていくと思う。
「どうしてなのか分からない」状態が不安で、物事に理由をつけ始めるから。
確信へ変わった気持ちはもう化石みたく固まってしまったし、自分で溶かすことはもうできなかったよね。
世界が終わりそうで海軍がウタちゃんを止めるべく狙っている場面でシャンクスが
「悪いな。親子喧嘩の途中なんだ。首を突っ込まないでくれないか」
って言ったの本当に良かった。
親子喧嘩。親子でしかできない喧嘩のことです。それを、している側がこの場面で言うのは愛だと思って、私はくるしい。
最後の最後で、ルフィの方が身長が高くなっていることに気づくウタちゃん、良かったなぁ。
「この麦わら帽子が"もっと"似合う男になるんだぞ」
ニュアンスだけど、良かったなぁ。
もう今でも十分似合ってるんだよね。
ウタちゃんが最後に麦わら帽子を見ていたのはシャンクスが身につけている時。
ウタちゃんにとってはシャンクスが被っている方がしっくりきているだろうけど、それを今ルフィが持っている意味もシャンクスが渡した意味も感じとったウタちゃん。
……もっと似合うようになったルフィを、ウタちゃんが見てほしかったなぁ。
そして最後の、ルフィが目覚めた後。
ゾロだったかな、「ずいぶん寝てたな」みたいなこと言われてふと海を見ると赤髪海賊団の海賊船。
私の妄想なのか忘れちゃったけど、
みんなで囲ってたよね。きっとウタちゃんを。
私、なんとなく察しながらもずっとウタちゃんを諦めたくなくてさ。
いや分かるよ。ネズキノコが出てきた時点で危ないと思ったし、回復薬を飲まなかった所でもう。
可愛いものが好きだったウタちゃん。
赤髪海賊団のみんな、たくさんお花入れてくれただろうな。
そこのシーンの漫画がTwitterにあがっててしんどいほど泣いちゃった。
最期に、ウタちゃんがシャンクスの腕の中でぬくもりを感じることができて本当に良かった。
12年分というにはあまりに短いひと時だったけれど。
ハ〜〜〜〜〜〜・・・・・
ここまでお付き合いいただきありがとうございました。
iTunesランキングでウタちゃん(Adoさん)が上位かっさらってるの、本当に最高。
世界がウタちゃんの歌声を聴いている。
「私が消え去っても歌は響き続ける」もんね。
麦わら海賊団の2年後を知らない私がFILM REDを観たらこうなりました。
Twitterで限界化してたら友達が「2年後もいいぞ」と言って漫画を貸してくれるそうです。ありがてや……。
ほんと、観に行けて良かったです。
(ウタシャンクスルフィ赤髪海賊団の平和癒し絵を探し求めに旅に出ます。)